ESM アジャイル事業部 開発者ブログ

永和システムマネジメント アジャイル事業部の開発者ブログです。

価値創造契約10周年

アジャイル事業部で価値創造契約を担当している平田です。

価値創造契約という新しいサービスを発表して、また、最初のソフトウェアリリースから今年で10年になります。 価値創造契約についてはこちらから。(現在は新規受付は停止しています) https://agile.esm.co.jp/services/value_creating_contract/

詳細は上記のページに書いていますが、特徴を説明すると、初期費用0円とした上で、利用している期間だけ月額利用料をいただき、解約は自由というサービスモデルです。 これを発表した当時は、まだ今ほどアジャイル開発が受け入れられていなかった時期でもあり、「任せてくれたら大丈夫」という自信と覚悟を見せるためのご提案でした。 (そう思うと、請負契約ではなく、リスクをお客様側が持つ形での契約が一般的になっている現在は、隔世の感がありますね。)

価値創造契約はビジネスとして拡大はしなかったものの、ご契約いただいているシステムはいずれも長生きしており、継続的にメンテナンスをしながら使い続けていただいています。 一番長いものはリリースから10年になり、未だにリプレースすることもなく、運用を続けています。

ビジネスとして拡大しなかったのは、いくつも要因が重なったことが理由ですが、その理由のひとつに、我々が継続的に「保守」をやっていく体制をうまく作れなかったというものがあります。 通常、我々が取り組んでいるアジャイルなやり方では、ソフトウェアが動き続ける間、開発チームが継続的に追加開発や不具合修正を続けていきます。 一方、この価値創造契約のモデルでは、リリース後にメンテナンスは行うものの、開発チームを維持し続けるだけの費用をいただいていないため、チームは解散します。チームが解散してしまうことにより、知識の貯蔵庫が失われてしまうのが問題なのではないかと仮説を立てています。

今のところ、価値創造契約というサービスそのものを拡大していく予定はありませんが、上記のような課題を踏まえて、これまで通りの準委任契約での開発に引き続き取り組んでいくことはもちろんのこと、さらにその先をいくような契約形態やサービスを試行していきたいです。