はじめに
はじめまして。 @ima1zumi と申します。2021 年 1 月に株式会社永和システムマネジメントに中途入社しました。好きな gem は Reline と irb で、最近は文字コードに興味を持っています。どうぞよろしくお願いします。
さて、先日オンラインで開催された BuriKaigi2021 で Unicode Emoji の話をしました。Emoji についてはスライドを読んでいただくとして、ここでは BuriKaigi で Emoji の話をした経緯と準備について書きました。
この記事を書くにあたり、 kasumi8pon から「ima1zumi さんが普段どのようなことを考えているのか分かるような記事になっているとよいですね」とアドバイスをいただきました。そこで発表するまでにどのような準備をしたのか、何を考えていたのか、に焦点を当てて書いてみました。この記事が何かを発表する方の参考になれば幸いです。
BuriKaigi とは
富山のおいしいもの(鰤など)を食べながらITに関することを勉強する会です。 .NET, Java, Ruby などさまざまな言語のセッションがあります。懇親会でおいしいぶりしゃぶを食べることで有名です。 毎年富山県で開催されていますが、今年は新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催となりました。
【オンライン開催】Burikaigi2021 - connpass
ちなみに、懇親会参加者向けに冷凍ぶりしゃぶセット(有料)の案内もありました。豪華ですね!
登壇するきっかけ
BuriKaigi の 6 日前に知人から「 BuriKaigi の登壇枠が空いているので登壇しませんか?」と誘っていただきせっかくなので話すことにしました。本来は 30 分の枠でしたが、準備期間が短いため 15 分枠なら登壇できそう、ということで調整していただき登壇が決まりました。
テーマ選定
登壇する時に、私は以下のような内容で何か話せないか?という観点でテーマを考えています。
- 最近学んだこと・わかったことで面白く感じていること
- ハマったことと解決方法
- 登壇をゴールに開発する・調べる*1
- 自分の経験をまとめる
また、そのテーマを選んだときにどれだけ情熱を持って話せるか、何か伝えたいことがあるのかという点を重視しています。 テーマについてよく知っていたり語りたいことがあると、モチベーションが上がります。モチベーションが高いと準備も捗りますし、話にも熱が入りいい話になるのではないかと思っています。
具体的なテーマ選定
例えば今回の場合はこのように考えていました。
- 文字コードや Emoji の話は Reline を通して学んだため少し知見があるし面白いと思っている
- Ruby の
String
の話もしたいが、 Ruby ユーザー以外も多く参加するのであまり合わないかもしれない - Reline の概要はどこかで話したいが、しっかり準備したいので今回は難しそう
これらのテーマを候補として考えつつ、BuriKaigi にどういう参加者が集まるのか、他の方がどういうテーマで話すのか運営の方に聞いてみました。 Ruby 以外の言語を使う人も多いことと、マニアックな話は歓迎ということでした。それなら Emoji の話が良さそうだと思い Emoji の話をすることにしました。
テーマの深堀り
まだまだスコープが粗い状態なのでもう少し具体的な内容を考えます。
最初はざっくりと何を話すか考えました。LT では何度か登壇したことがあるので、5 分 x 3 本ならどんなことを話せるかというイメージで決めていきました。
例えば今回は、5 分ずつ以下のテーマで話せそうだと思いました。
- Emoji の歴史
- よく問題になる Emoji
- Emoji の仕様
その後もう少し肉付けして、
- Emoji に興味を持ったきっかけ
- Reline
- Emoji の歴史・前提
- エモティコン、顔文字
- ドコモの Emoji
- Unicode に入って普及
- どんどん増える Emoji
- Emoji の特徴
- 書記素
- よく問題になる Emoji
- ZWJ
- SKINTONE
- REGIONAL
- VALIATION
- KEYCAP
- Emoji の仕様
- Unicode の technical standard
- Emoji テーブル
- Emoji 採択のプロセス
- Emoji は面白い!
こういう内容で話そう、と仮決めしました。
スライドを作る
上の箇条書きをもとに、スライドを作っていきます。
スライド作成ツール
私はよく reveal.js を使っています。 Markdown で書けるので、さっと書けて書き心地がよいです。公式ドキュメントが充実しているため、こういうことをしたいときにはどうすればいいんだろう?と思ったときに迷わなくてよいので便利です。
スライド作成と練習
私は初稿は思うまま書いて、後から修正を繰り返してブラッシュアップしていくスタイルです。最初は自分の素直な言葉でスライドを書いていきます。口語になっていたり、よくわからなくてもとりあえず言葉に起こしていきます。
途中で筆が止まったら一旦声に出して読んでみて構成におかしな点がないか、時間がどれくらいかかるか確かめます。 今回は 2/3 くらい書いたところで筆が止まったので、一旦声に出してみることにしました。すると思ったより時間がかかることがわかり、Emoji の仕様に関するスライドは作らないことにしました。
声に出して読み上げると、スライドに書いてある構成では話の流れがおかしい、というところがわかります。私はその場でアドリブで話を組み立てるのは苦手なので、スライドを見て読み上げれば自然と構成が正しくなるように、脱線しないように意識してスライドを書いています。そのため、一旦完成したら声を出して読みながら違和感があるところを修正する、を繰り返しながら仕上げていきます。
また、これは実践できていないことも多いのですが、スライドの情報だけ見て理解できるような要約を書くことも意識しています。そのようなスライドは、イベントが終わった後に参照しても役に立つからです。音声で補足しないと伝わらない情報があれば、できるだけ文字に書き起こすようにしています。
発表前にやること
オンライン登壇の発表前にやっていることです。
- 画面共有できることを確認
- 全画面を共有する場合、通知や映ってはいけないものが映らないように設定
- Slack, Discord などを停止する、おやすみモードにする
- ブラウザで共有する場合、ブックマークバーを非表示にする
- 全画面を共有する場合、通知や映ってはいけないものが映らないように設定
- マイクの音量を確認
- カメラを確認
- インターホンの音量を下げる、止める
- ストップウォッチを準備
- スライドをアップロードする
- スマートスピーカーを切る
私は Amazon Echo Dot をデスクの上に置いているのですが、本番中に Alexa が桃太郎の解説を始める*2というトラブルがあり非常に焦りました。スマートスピーカーは本番前に止めておきましょう。
発表中にやること
ストップウォッチを見ながら時間を調整しつつ話します。
余裕があるときは Twitter やチャット欄を見ながら話しますが、余裕がない時はスライドに集中します。今回は練習量が足りず緊張していたので、スライドの他は何も見ず話していました。
発表後にやること
スライドを公開します。Twitter でイベントのハッシュタグをつけて tweet することが多いです。connpass でのイベントの場合はイベントページに資料のリンクを貼れるのでそちらからも貼ります。
発表を終えてみて
発表前は、15分聞いていただけるだけの内容にできるかとても不安でした。ですがなんとかまとまった内容を発表できてよかったです!スライドを作るにあたり Unicode の technical standard を読んで学んだり、Emoji の歴史について知ることができて良かったです。 Emoji への知識と愛がより深まりました。反省点としては、準備時間が足りず用語の使い方が怪しいところがあったことです。普段から正確な言葉を使えるよう意識していきたいです。
このようなしっかりした場で発表するのは初めてでしたが、なんとか無事終えることができました。誘ってくださった方、こんな機会をくださった BuriKaigi 運営のみなさま、ありがとうございました!いつかぶりしゃぶを食べに富山に行きたいです🐟