ESM アジャイル事業部 開発者ブログ

永和システムマネジメント アジャイル事業部の開発者ブログです。

Android向けFirefoxのローカライズ

こんにちは、swamp09です。 私は仕事用のPCもプライベートのAndroidスマホでもブラウザはFirefox Nightlyを使用しています。ふと思い立ってFirefoxのローカライズをお手伝いしようとしたところ、手軽に試せた、という記事です

Firefox Nightlyについて

Firefoxにはいくつか種類があり、PC向けは

の5つがあります。 リリースカレンダー をみると、BetaとDeveloper Editionが通常のFirefoxの1つ先のバージョンでNightlyは2つ先のバージョンとなるようです。 NightlyはChromeでいうと Canary のような頻繁にリリースされる不安定版ですね。

またAndroid向けには4種類あります。

iOS向けはBetaとNightlyがなく、TestFlightがあるようでした。

公式サイトにはNightly は不安定な開発中の試験版プラットフォームです、と書いてありますが、私は1年ほど前からNightlyを使っていて特に問題に遭遇することはありませんでした。 不自由なくブラウジングしていたのですが、ある日ふとAndroid向けの Nightly を使っていてローカライズされていない箇所を見つけました。

いくつか未翻訳箇所があるのですが、例えば設定一覧画面では 'strict' と表示されている箇所が強化型トラッキング防止の詳細画面にいくと '厳格' と表示されています。なんかちょっと変だなと思って調べてみると、1週間ほど前にマージされた新機能で一覧画面に選択している設定を表示するようにしたようでした。 せっかくNightlyを使っているので、新機能のローカライズを試してみようと思いました。

Mozilla製ローカライズツール Pontoon

ローカライズがどこで行われているか調べたところ、Android向けFirefoxのリポジトリにローカライズはPontoonで行われていると書かれています。PontoonはMozilla製品をローカライズするためのツールのようです。Mozillaはローカライズのための専用ツールを作っていたんですね。 Pontoonの Japaneseをみると、Mozillaのプロジェクトごとにどの程度翻訳が進んでいるか見ることができます。

Firefox for Android を開いて、適当に文字列の中から選択してみると、以下の画像のような表示になります。

翻訳対象のテキスト一覧やリソースが表示されます。フォームに入力してSUGGESTを押すとレビュー待ちになり、権限がある方のapproveを待つことになります。面白いのは右下の類似用語の表示で、Pontoon内の他の翻訳やGoogle翻訳で機械翻訳した結果などを表示してくれます。 Pontoonを使うのは初の試みだったので、簡単そうな強化型トラッキング防止のメニューテキストを翻訳してみました。 approveしてもらえたので、Import l10n のコミットで Android向けFirefox のリポジトリに取り込まれました。

まとめ

Firefox for Android にコミットが取り込まれた後すぐにリリースがあり、手元のAndroidで今回自分が行ったローカライズが反映されました。

Build #2015929323 が私にとって記念すべきビルドになりました。

今回使用したPontoonがかなり便利で、Firefoxのローカライズの敷居が下がりました。今後も何か気づきがあればお手伝いしていけそうです。ちなみに今回はAndroid向けのFirefoxだったのでPontoonで作業しましたが、PC向けのFirefoxはGithubで管理しているとのことでした https://pontoon.mozilla.org/ja/firefox-for-android/team-info/